現在、歯周病にかかっている成人の割合は約82%、小学生でも40%と言われており、歯を失う原因の第1位が、歯周病です。
歯周病は、歯と歯ぐきの隙間である歯周ポケットにたまった、歯垢(プラーク)に含まれる細菌が原因となって発症します。
また、「口腔内の環境」や「生活習慣」によって、歯周病を引き起こしたり、歯周病を進行させてしまう危険因子が潜んでいます。
歯周病は、沈黙の病気と呼ばれ、痛みなどの自覚症状がほとんどなく、静かに症状が進行していく病気です。重度の場合は、歯周病菌が歯を支えている骨を溶かし、支えの部分がなくなった歯はやがて抜けてしまいます。
歯周病を防ぐためには予防・早期発見・早期治療がとても大切です。
当院では歯周病予防の為に、定期健診メンテナンスに来ていただくことをお勧めしています。
すでに歯周病になってしまった方の処置も、軽度なものから重度のものまで対応しております。
できるだけ「ご自分の歯を残す」を大切にしているのです。
歯肉の溝に潜む歯周病菌は、やがて血流にのって全身に運ばれます。口の中だけではなく、糖尿病・動脈硬化や心筋梗塞(心疾患)・脳梗塞・早産・低体重児出産・誤嚥性肺炎・骨粗鬆症など、全身の健康にも関与することが報告されています。
生活習慣病と同じように、虫歯や歯周病も予防できる病気です。定期検診・メンテナンスで歯周病を予防し、お口の継続的な管理を行うことで、体の健康を維持しましょう。
糖尿病の人は健康な人に比べ歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多く、また歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという調査結果があります。
歯周病菌の発生する毒素が、血糖値を下げる働きのあるインスリンを作りにくくするからです。インスリンが作られにくくなると、血糖値が上がります。
つまり、歯周病と糖尿病は表裏一体非常に深い関係があるのです。
糖尿病の治療で歯周病が、歯周病の治療で糖尿病が改善される可能性があるのです。
最近の研究で糖尿病が認知症の危険因子になることがわかってきました。
糖尿病の人はそうでない人と比べ、認知症の発症する確率が2~4倍にもなると言われています。
つまり、歯周病によって進んでしまった糖尿病が、さらに認知症を進ませる可能性があるのです。
歯周病菌などの細菌感染が、動脈硬化の要因の一つとして考えられています。
プラークの中に潜む細菌が、歯肉の中に潜み、血管を通して体内に深く侵入し、血流に乗り歯周病菌が全身に広がってしまいます、その刺激から動脈硬化を引き起こす物質が出るというのです。
また、それによる血管内の沈着物が血液の通り道を細くするので、心臓疾患も引き起こすことがあるといわれています。
歯と歯ぐきの間に歯垢(プラーク)がたまって歯ぐきが腫れ、出血しやすくなっています。歯を支える骨にはまだ影響がありません。
歯周ポケットが形成され歯石が深部まで付着し歯を支える骨を半分くらい失っています。
歯を支える骨がなくなってきて歯がぐらつき、このまま放っておくと歯が抜けてしまいます。歯ぐきが下がる、膿が出るなどの症状もみられます。
まず歯周病の検査を行ってお口の中の状態を調べます。その状態に合わせて歯みがき指導や歯石除去により歯垢の除去を行います。重度の場合は検査や歯石除去を繰り返しますが、歯周ポケットの改善がみられない場合は歯周外科を行うことがあります。その後安定した状態が続くようにメンテナンスをお勧めしています。
まず精密な検査を行って現在の歯ぐきや歯槽骨の状態、歯周病を悪化させる要因の有無などを分析し治療計画をたてます。まずは原因除去が重要ですから、歯磨きの練習を行い、歯垢(プラーク)を取り除きます。歯磨きをすることにより、歯ぐきの炎症が減少します。赤く腫れて出血しやすい歯ぐきも正しく歯磨きをすることにより、かなり引き締まってきます。歯ぐきが引き締まると、歯ぐきの中の歯石が見えやすくなり、歯石除去が効果的に行えるようになります。歯石を取ると歯石の表面や内部の細菌が減り、さらに歯ぐきが引き締まってきます。
①歯周病の検査
歯を支えている骨の状態を検査するためのレントゲン撮影や、歯と歯肉の境目の溝(歯周ポケット)の深さを検査します。
②歯磨きの練習
プラークを除去して炎症をなくし、腫れた歯ぐきを引き締めます。
③大まかな歯石除去
スケーラーと呼ばれる器具を用いて、水をかけながら超音波で大きな歯石を壊して取ります。
④歯ぐきの下の歯石除去
器具を使って一本ずつていねいに歯石を取ります。
歯ぐきの奥に隠れた部分にある歯の根に付着した歯垢や歯石、さらに歯周病菌に感染した歯質などを特殊な器具を使って1本ずつ丁寧に除去する方法です。
歯みがきと歯石除去で歯ぐきの状態はかなり良くなりますが、これだけではすぐに再発することがあります。歯垢がつきにくく取りやすいお口の環境にする必要があります。例えば適合の悪い修復物などは除去しなければなりません。また異常な咬み合わせがあると変な力がかかって、歯槽骨が吸収しやすくなるので咬み合わせの調整も必要です。さらに歯周病が進行して歯がぐらぐらしている場合などは、全体のバランス等を考慮し早期に抜歯することもあります。このような歯周基本治療によって歯ぐきの状態は改善し、ある程度安定した状態が得られます。この時点で再度精密な検査を行い、状態がよければメンテナンスに移行します。
歯周基本治療を行っても深い歯周ポケットが残っていると、歯ブラシが届きにくく再発の危険がありますので場合によって歯周外科処置を行うことがあります。歯周外科処置を行うことにより、歯槽骨の形態を改善したり、歯周ポケットの値を減らすことができ、清掃しやすい環境が整います。また健康保険の対象外になりますが、症例によっては歯周組織再生療法によってある程度、歯槽骨や歯ぐきを増やすことができます。このような歯周外科処置を行った後もやはり精密な検査を行い、治療効果を確認します。
歯周治療後は歯周病にならないために、また安定したお口の状態を維持するためにも定期的なメンテナンスによる定期検診が最も有効な治療方法です。
定期検診で行う「プロフェッショナルケア」とご自宅で行う毎日の「セルフケア」、日々の積み重ねが歯周病治療にとって最も重要と言われています。
本院では、専門的な技術のある歯科衛生士による予防に効果的なPMTCなどのクリーニング。ブラッシング指導などセルフケアのご案内もしております。定期検診へ
歯周病の原因ともいえる口腔内菌の環境を整えるプロデンテイスはこちらへ